ズル休みで最も肝要なポイントは電話をかける段階です。職場に電話をかけ「休ませてください」「お大事に」というやり取りがなされるだけで欠勤を手中に収めることができるのであり、ズル休みとは殆どそれだけのものなのです。
従って、電話をかけるという行為が唯一にして最大の山場となります。
電話一本入れれば休めるということは、逆に言えば、その電話において怪しいことがあったり失礼があったりしたら真っ先に人間性とズル休みを疑われるということになってしまうというわけです。
疑われることなく晴れ晴れとした気持ちでズル休みを満喫するためにも、さらに次のズル休みのための足がかりを作っておくためにも是非とも会社・職場に電話をかける際のポイントをしっかりとおさえておきましょう。
ズル休みで会社に電話をかける際の基本的な3つの心構え
1. メールやLINEではなく電話で直属の上司に伝える
会社によっては「電話は時間の無駄だから、欠勤の連絡はメールやグループLINEにて行うこと」と定められているところもあるかもしれませんが、基本的には電話をかけて欠勤の連絡をします。メールなどでの連絡は例外中の例外であると考えましょう。
また、欠勤を伝えるのは直属の上司です。
非常に面倒なことであり、鬼上司であれば叱咤される可能性も孕んでいるかもしれませんが、ほんの数分の電話さえ終わってしまえば仕事を休めると考えて嫌なことはさっさと終わらせてしまいましょう。上司に伝えるのは恐いから同僚に伝言を頼むというのはよろしくありません。あとでさらに怒られてしまうでしょう。
静かな場所からかけることも重要なことです。良からぬ嫌疑をかけられないためにも、テレビや音楽の音量を落とす、静かな場所に移動することを心がけましょう。
2. 喋りすぎないこと
ご存知の通り、人は嘘をつくときにはやたらと喋りすぎます。話している方としては嘘がバレないように興奮気味であるのに対し、それを聞いている方は冷静なので「なんか様子がおかしいぞ。仮病か?」と意外と鋭く察します。
従って、バレないズル休みのためには最低限の要点を的確に簡潔に伝えることが重要になります。喋りすぎても怪しまれますし、自信なさげにもごもごしていても訝られます。電話をかける前に伝える内容をシミュレーションしておき、深呼吸でもして落ち着いてから通話しましょう。
ズル休みを電話で伝える際の良い方策としては「具合が悪い人になりきること」「自分が過去になった体調不良を思い出して伝えること」が挙げられます。そうすることにより的確でありながら具体的な言葉が出てきて、信憑性がグッと上がります。
3. いつも自分が家を出る時間あたりに電話をかける
電話をかけるタイミングですが、自分がいつも出社のために家を出る時間がベストです。早すぎても「出社するまでに治るかもしれないだろ。改めてかけてこい」と言われる可能性があり、遅すぎることは言うまでもなく良くありません。加え、あまり遅くなってしまうとますますこちらから電話をかけづらくなってしまうという悪い面もあります。
従って、いつも家を出る時間頃に電話をかけるのが最善というわけです。
会社に電話をかける際に伝えるべき必要不可欠な5つのポイント
例)
自分「おはようございます。○○です。お忙しいところ失礼致します。実は昨晩から高熱が出てしまって今になっても治まらないです。少し良くなってきたら病院で診察を受けてきたいので、本日はお休みを頂けますでしょうか
上司「どんな具合なの?」
自分「先程計ったところ38.5℃でした。意識が朦朧とする感じです」
上司「そうか、わかった。今日はゆっくり休みなさい。お大事に」
自分「ありがとうございます。誠に申し訳ありません。失礼致します」
1. 「お忙しいところ失礼します」―相手への配慮
欠勤の連絡は相手に丁寧に気を遣うことが最大の戦略となります。
それだけでもだいぶ印象が変わります。良い印象を与えるということは、ズル休みがバレにくいということであり、欠勤をしながらも評価を上げることにも繋がります。評価が上がれば、次のズル休みのためのハードルが低くなり実行しやすくなります。
まずは電話が繋がったらいきなり要件を言うのではなく、「お忙しいところ失礼致します」とワンクッション置きましょう。相手の状況を気遣う枕詞であると同時に、こちらも一呼吸し気持ちを落ち着ける時間となります。
2. 「病院へ行くため」―鉄壁の理由
「具合が悪いので休ませてください」よりも「具合が悪いので病院に行くために休ませてください」の方が説得力が増しますし、病院に行って治そうとする意志があることをアピールすることもできます。つまり、病院に行くという理由を告げることによって「悪化させて明日以降も休むようなことにならないために今日は休ませてください」ということを含意することとなるため、上司を納得させやすくなるのです。
ちなみに、だからと言って明日以降休んではいけないということではありません。病院に行ったって治らないものは治らないので、連休の取得しても何も問題はありません。
厳しい向きにおいては「会社を休む=病院で診察を受ける」と認識している頭の固い上司もいるでしょうし、翌日に出社した際に「昨日は仕事にも来ないで家でゴロゴロしてただけかい?」なんて嫌味を言われてもたまったものじゃありません。そういった人たちを牽制する意味でも「病院に行く」というフレーズはキラーワードとなります。
翌日の出社の際には、誰に何を聞かれてもいいように病院での架空の診察結果を用意しておきましょう。「疲れが溜まってしまって、ふとした拍子で体調が崩れてしまったようです」というのが当たり障りがないかと思います。
3. 「よろしいでしょうか?」―お伺いを立てる
「熱が38.5℃あるので休みます」と自分の意志を突き付けるのはご法度です。休むことを前提に電話をかけているにしても「お休みを頂けますでしょうか?」と下からお伺いを立てるように話すのがセオリーです。
「休みます」と言われると「なんだこいつ」と思ってしまいますが、「休ませて頂けますでしょうか」とお伺いを立てるように申し上げることによって「しょうがねぇなぁ」という気持ちに人はなります。全ての上司はそういうものです。
従って、「こっちは休みたいんだバカヤロー」と思っていても表面上は下手に出て謙譲の姿勢で欠勤を申請し、通話が終わったことをしっかりと確認した後に「バカヤロー」と通話口に言い放つようにしましょう。
4. 「ありがとうございます」―感謝の言葉
「わかった。今日はゆっくり休みなさい」と欠勤が承認されたら「ありがとうございます」と感謝を伝えましょう。大変に具合が悪そうな演技をしていたとしても、ここだけはある程度気持ちを込めてもいいところです。ズル休みが承認された歓喜を爆発させたいのは山々だとは思いますが、残念ながらそういう目的ではありません。
感謝されたら誰もが悪い気はしません。ましてそれが、部下の欠勤を承諾した末の感謝であったとしても。つまりは感謝を伝えることによって「あいつ休みやがって」という負の感情をプラマイゼロ、チャラにしようという試みなのです。
加え、感謝を押し出すことによって信憑性が増すということも挙げられます。
上司「今日は休みなさい」
自分「あーそうですかーわかりましたー」
よりも
上司「今日は休みなさい」
自分「はいっ!本当にありがとうございます!」
のほうが、本当に具合が悪いので欠勤したかった感が出ます。
もちろん、欠勤が承諾された瞬間に人が変わったように元気になるというのはどうかと思いますが、感謝にはある程度感情を込めることでプラスに作用するということは覚えておきましょう。
5. 「申し訳ありません」―謝罪の言葉
感謝と同様にして謝罪も極めて重要です。当然ながら「体調を崩して申し訳ありません」というよりも「会社にご迷惑をおかけして申し訳ありません」というニュアンスです。
申し訳ないと思っているかいないかは重要ではなく、同時に、会社に迷惑をかけたかかけていないかということもどうでもいいことです。
要するに、この場合の謝罪は社交辞令です。
申し訳ないと思っていなくても、とりあえずはロボットのようにでもいいので「申し訳ありません」と口に出して伝えておくことでその場は丸く収まりますし、「あいつ休みやがって」という反感も幾許かは軽減されます。「とりあえず謝っとく」と覚えておきましょう。
【ワンポイント】苦しそうな声の出し方
「電話口の声が元気そうだった」という理由でズル休みを疑われることは意外と多いことです。過剰な演技は蛇足と言えど、そのまま明るい声で朗々と「ひゃっほー、今からズル休みしまっせー」という感じで電話してしまうのもかなり危険であると言うわけです。
これにはとっておきの秘策がありまして、すなわち、床にうずくまりながら電話で話すということです。こうすることによって苦しそうな声が自然と発せられることとなり、ズル休みの嫌疑をかけられる確率はグッと下がるでしょう。是非とも活用して下さい。
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以上、ズル休みで会社や上司への電話をかける際のポイントをおさえれば完璧です。さあ、今すぐに電話をかけてズル休みライフを満喫しましょう。
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